祝!『箱めるモ!』リリース 特別企画 ゆるめるモ! “ほぼ専属”作詞家・小林愛インタビュー!! (1/2)

(インタビュー&文:のん)

ゆるめるモ!の歌詞のほとんどを手がけ、その独特のワードセンスが評判の小林愛。
でも、作詞のスタンスは謎、詞世界は独特で難解…?
新作のアルバム『箱めるモ!』で全6曲中5曲の作詞を手がける彼女に、元ゆるめるモ!メンバーで、プライベートでは愛さんと“カレー友達”を自負するのんちゃんが迫ります!

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ゆるめるモ!ファンのみなさん、そしてそうでないみなさんも、こんにちは。元ゆるめるモ!メンバー・のんです。
今回、ゆるめるモ!(以下、モ!)と箱庭の室内楽さんのコラボアルバム『箱めるモ!』のリリースを記念して、作詞を担当している愛ちゃんこと小林愛さんにインタビューをさせていただきました!

モ!のライブに足を運んでくださっているファンの方々のなかには、愛さんのことをご存知の方もいらっしゃると思いますが、愛さんは以前、miamiというバンドで活躍されていました。miamiさんはニューウェーブガールズユニットで、海外でライブを行っていました。モ!が歌う『エース』と『白玉ディスコ』は、miamiさんのカバーをさせてもらっているのですヨ。

さて、今回リリースの『箱めるモ!』。曲はもちろん、歌詞もとっても評判!こんなに素敵な歌詞を書いてくれる愛さんのことを、モ!ファンのみなさんをはじめ、たくさんの人に知ってもらうべく、この度“インタビュアーのん”として、みなさんのもとへ愛情を込めてお届けします。

みんな、やっと愛さんのヒミツが聞けちゃうよ?
のんと一緒に愛さんの世界にどっぷり浸りましょう!

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kobayashi 小林愛

作詞家、文筆家、ゆるめるモ!“ほぼ専属”作詞家
Twitter: @koba_ai
ブログ: ひどもやま日記


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(のん)miamiでは、愛さんが歌詞を考えて、愛さん自身が歌っていました。自分が歌う歌詞と人に提供する歌詞では、なにか違いのようなものはあるんでしょうか?

(愛)自分が歌う歌詞と人が歌う歌詞では、作り方が全く違います。miamiのときは、私が書いた歌詞は私が一番ちゃんと歌えるから、全く何も気にせずに全開でやろうと思って歌詞を書いていました。歌詞を人に理解されたいとも思ってなかったし、自分で歌うわけだし、自分が使わない言葉とか言い回しは絶対使っていませんでしたね。
 でも、あるとき、知らないバンドが『エース』をコピーしている映像を見たんです。それが初めて私が書いた曲を他人が歌っているのを見た経験でした。それが、「なんだかとても変だな」と…。その人たちが変なんじゃなくて、私の歌詞が攻撃的すぎるからなんだと思います。私が歌うために書いた歌詞だから、私ではない人が歌っていると違和感がありすぎて驚きましたね。私の歌を人が歌うのって厳しいんだなって思いました。それからは、人が歌う歌詞というものを意識するようになりましたね。



(のん)モ!の作詞はどうしているんですか?

(愛)モ!の曲は、基本的には先に歌詞についてオーダーがあるから、それを膨らませたり全く違うものにしたりして書いています。今まで自分で歌っていた歌詞とは逆に、私が普段あまり使わない言葉をわざといれたりもしていますね。自分しか見ない日記書くのと、人に見せるブログくらいの差があります。“人に見られることを前提にするかしないか”っていうことの違いがあるのかな。
 アーティストって、自分の感覚とかセンスが一番素晴らしいと思って作品をつくっているのかもしれないけれど、私の場合は、やっぱり人に書く歌詞はあまり自分のセンスは信じないようにして書いています。よく、「個性的な歌詞だね」っていわれるけど、誰が書いてもその人が書けば個性的なものになるんじゃないかなと。でも、それってほんとはよくないことだと思うんです。プロの作詞家は計算して、個性を出さない。アクが強いことって、あんまりよくないことなんじゃないかなって思います。自分のセンスを信じて、全開で書くと絶対ダサくなると思う。だって私、センスいい人じゃないし。だから、あまり自分を信じないようにして書いています。センスがいいなんて、自分でもあんまり思ったことないし、やっぱりあんまり信じちゃいけないなって思って、なるべく客観的に書いていますね。


(のん)「センスを信じてない」といっても、愛さんの歌詞は、超絶“愛さんらしさ”がありますが?

(愛)モ!の歌詞は、“真実を書く”ようにしています。ある事実を歌詞に書いているだけだから、私の感覚とかはできるだけ排除してるんですね。だからといって個性ゼロで書こうとは思っていません。私に歌詞を依頼してくれるのは、やっぱりどこかで私っぽい歌詞を書いてほしいっていうのが前提だから、なるべく普通のアイドルさんが歌わないようなもの、っていう意識は常にありますね。
 例えば「青春」って言葉一つとっても、私なんか、もうリア充死ねって感じの青春時代を送ってきたから(笑)、青春って言われても全くピンと来ないんです。でも、みんながみんな私みたいなわけではないし。だから私のフィルターを通すことで個性って出ると思うけれど、基本的には客観的な歌詞を書いていて、それでも印象に残るようにちょっと変わった感じの方がいいかなっていつも思って書いています。


(のん)メンバーのことを想像しながら書いたりもしますか?

(愛)メンバー一人ひとりの個人的な部分は、私には多分理解できないことが多いと思います。違う人間だし考え方も境遇も違うから。それでも、たぶん共通するものも絶対にあるんですよね。ステージに立ってパフォーマンスをするということだけでも、私は同調できる部分がかなりあるわけです。ステージ上で心の動きなんて、すごく想像できちゃう。自分で決めてステージに立っているんだから頑張らなきゃいけない……でもやっぱり……って気持ち。そういう気持ちをどうしたいとか、どうしてほしいっていうのはすごく理解できる部分はありますね。だから、彼女たちのその隙間を埋められたらいいなって思っています。
 やっぱり同じ女性だからわかる部分も多いのかもしれない。男性にはわからない部分って年頃の女の子にはやっぱりあると思うから。「宇宙に比べたら、あなたの悩みなんて小さいよ」なんて男子的な答え、そんなのわかっているものね。欲しいのはそうじゃないんだよなあ…っていう複雑な気持ちが女の子にはある。キレイ事はもうわかるから、それ以外の言葉で慰めてほしいんだけど!って気持ち。結局、ひねくれているんだと思います(笑)。キレイ事万歳なときもあるけど、そういう歌は他の人たちが歌っているから。たぶんもっとそれを素敵に歌う人がいるから、モ!は歌わなくていいんじゃないかなと思っています。


(のん)そう聞くと、ますますモ!の作詞は大変そうですが、これは書きやすかった、これは大変だったとかありますか?

(愛)私の中の真骨頂は『ゆるめるモん』のような歌詞です。うまいこといったなあ、と思っています。
 モ!の歌詞だから書くのが大変ってことはないけれど、『逃げろ!』と『なつ おん ぶる ー』は大変でしたね。
 『逃げろ!』は、メンバーたちがパフォーマンスをしてくれて一番ハマったと思います。私はこの曲はあまり得意なジャンルじゃなかったから、書くのがすごく大変でした。でもライブを観たら、曲と歌詞とパフォーマンスが一番よく形になっていて、そこにお客さんの盛り上がりも乗っかって、感動的になってた。ちなみに私自身、「地獄みたい」って口癖なんですよ。すぐ、「こんな辛いの地獄みたいだ」って思う。だからすごく自然な、素直な言葉ですね(笑)。

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